お部屋を借りるときの賃貸契約には、住民票や印鑑などのさまざまな書類が必要です。

必要なものを事前に確認しておかないと、書類の入手に時間がかかってしまい希望する日に入居できなくなる可能性もあります。

「部屋を借りるときに何がいるのかわからない!」

「必要なものはどうやって入手したらいいの?」

このように海外からの帰国者で疑問をお持ちの方に向けて、賃貸契約に必要なものや、入手の仕方について解説していきます。

申し込み

帰国前の内見の場合はどうする?

通常は内見して気に入ったら申込みをする流れになりますが、海外からの帰国者の場合、まだ日本に帰国しておらず、内見できない場合があることもあります。

そんなときは信頼できる方(ご家族、会社の方、友人など)に内見してもらうか、不動産会社を通じてFacetimeをしたり、動画や撮影してもらったものを共有してもらい、契約後にこんなはずじゃなかった!というトラブルを避けるようにしましょう。

また、不動産会社によっては内見しないと申込みができないというルールがある場合もありますので、日本に帰国後2〜3週間は宿泊できる場所を確保していると安心かもしれません。

賃貸契約時に必要なもの

賃貸契約時には、以下のような書類が必要になります。契約によっては不要なものもあるので、契約時に仲介業者に確認してくださいね。

  • 身分証明書
  • 住民票
  • 印鑑
  • 収入証明書(源泉徴収票や納税証明書など)
  • 連帯保証人の住民票
  • 連帯保証人の印鑑証明書
  • 連帯保証人の承諾書
  • 銀行印/通帳

※最近では連帯保証人は不要で保証会社の利用が必須の物件が多いです。

では、それぞれの入手方法や注意事項について解説していきます。

身分証明書

身分証明書とは、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどです。顔写真が付いているものでないと認められないこともあるため、注意しましょう。

免許証や保険証の場合、表裏のコピーが必要になりますので、忘れずにご用意くださいね。

海外に住んでいる方からパスポートを提示されることがあるのですが、以前はパスポートに住所を記入する欄がありましたが、2020年より個人情報を保護する目的でパスポートに住所記入欄が廃止されました。

パスポートは身分証明書の代わりにはならないので、注意が必要です。

住民票

住民票を取得するには、現在お住まいの市町村役場で「住民票の写し等請求書兼申出書」を記入し、窓口に提出します。

住民票の発行には、1通につき300円の発行手数料が必要です。3月や9月など引越しシーズン時は、窓口が混雑しますので、時間に余裕をもって取得しにいってください。

発行してもらう住民票は、原則としてお部屋に住む方の全員が記載されているものでなければいけません。

また、マイナンバーは記載されていないものを発行してもらいましょう。マイナンバーは、年金や所得など個人に関する重要情報に紐づけられているため、不動産会社はマイナンバーが記載されている住民票を受け取ってくれません。

海外から帰国したばかりの方は住民票が取れないことがあります。

そんな場合は不動産会社に事前に説明して、契約後に住民票(その住所を登録して)を提出することを承諾してもらう必要があります。

印鑑・印鑑証明書

印鑑証明は、住民票と同じくお住まいの地域の市町村役場で入手可能です。

ただし、事前に実印の登録が必要です。登録が完了するまでに数日ほどかかる場合もあるため、お部屋を借りる前に、早めに登録しておきましょう。

こちらも登録するには住所が必要なので、契約後に印鑑登録をして(その住所を登録して)提出することを承諾してもらいましょう。

ほとんどの場合、印鑑証明書の提出は不要だと思いますので、”印鑑”さえ持っていれば、問題ないです(最近は電子契約も導入されています)。

収入証明書(源泉徴収票や確定申告書類など)

お部屋に住む方が会社員の場合は、次のような収入がわかる書類が必要です。

  • 源泉徴収票
  • 課税証明書(非課税証明書)
  • その他の所得証明書

課税証明書(非課税証明書)はお住いの市町村役場で入手でき、源泉徴収票は勤務先から発行されます。

もし源泉徴収票が手元にない場合は、勤務先に再発行してもらわなければいけません。再発行には時間がかかる場合もあるため、お部屋を探し始めるときに準備しましょう。

また、海外から帰国で転職される方はOffer Letter(会社名・年収の記載があるもの)が必要になりますので、準備しておきましょう。

日本で物件を賃貸する場合、職がないと保証会社の審査に通らないので、気をつけましょう。

連帯保証人の住民票、印鑑証明書、承諾書

連帯保証人とは、部屋を借りた人が家賃を払えなくなった場合や、壊した設備の弁償ができない場合などに、借りた本人に代わってお金を支払う人のこと。家族や兄弟など、身近な方が連帯保証人になることが多いです。

連帯保証人の方が遠方にお住いの場合は、郵送でのやり取りとなり時間がかかるため、事前に連絡を取り合ってスムーズに書類を準備できるようにしましょう。

緊急連絡先として、ご親族の方の連絡を記載することもあります。緊急連絡先の方の生年月日やご勤務先などを記載することもあるので、予め確認しておいてください。

銀行印・通帳

家賃を口座引き落としにする場合は、引き落とし先にする口座の銀行印や、口座番号が分かる通帳、キャッシュカードが必要となります。

お金

日本に帰国して間もない方で銀行口座を持っていない場合、事前にまとめて前賃料を支払う、または数ヶ月の間は振込にさせてもらう等、相談する必要があります。

賃貸契約時に必要なお金

賃貸契約時には、初期費用として敷金や礼金などまとまったお金が必要です。

初期費用の内訳は、以下の通りです。

初期費用 内容 相場
礼金 大家さんに謝礼として渡すお金。退去時には返還されない場合が多い 家賃の1~2カ月分
敷金 退去時の原状回復に充てられるお金。退去後に原状回復充用(退去クリーニング費や補修費)が引かれた額が戻ってくる 家賃の1~2カ月分
仲介手数料 不動産会社に支払うお金 家賃の1カ月分+消費税が上限
保証料 万が一家賃を払えなくなった場合に備えて保証会社に支払うお金 賃料の30、50または100%
火災保険料 火災や水漏れのための損害を補償する保険 1万5000円~2万円
前家賃 契約の際にあらかじめ支払う翌月分以降の家賃 入居した月の家賃を日割り計算した金額+翌月分の家賃

初期費用がいくら必要かは、契約前に提示されケースがほとんど。必要なお金を用意し、現金もしくは口座振込で支払います。項目によって支払い方が違う場合もあるため、金額と合わせてしっかり確認しておきましょう。

鍵交換費や室内消臭代などのオプション費用が入っている場合、必要でなければ、省いて貰えるように交渉してみましょう。

海外の口座から資金を送金するのは意外と時間がかかりますので、余裕をもって送金の手続きをしてください。

前回、オーストラリアから送金を受けたときは3日、アメリカの場合2日、フランスは5日、マルタは5日かかりました。

海外送金を受け入れない不動産会社も多いので、ぜひイーエム・ラボにご相談ください。

賃貸契約時に注意すること

必要なものとお金さえ準備すれば、必ず賃貸契約できるわけではありません。

なぜなら、賃貸契約時にオーナーとオーナー側の不動産業者が、あなたを「審査」するからです。

注意すべき点と対策はお部屋を借りる人の職業によって変わるので、ご自身の状況に照らし合わせて確認してみてください。

新社会人や転職したばかりの人などがお部屋を借りる場合

お部屋の契約者が海外から帰国後の社会人の場合、契約前の審査で現在の収入が確認され、家賃を払っていける能力があるかどうか判断されます。

転職をしたばかりの方や新卒採用予定の方は、家賃が支払えないリスクがあると捉えられる可能性があります。勤務年数の長い方と違って、仕事を辞めてしまう可能性が高いと思われてしまうためです。

在職期間が短い、あるいは採用予定の場合は、年収が記載された書類や勤務先の内定通知書を事前に用意しておきましょう。

自営業としてスタートする方がお部屋を借りる場合

帰国後、自営業者としてスタートする方は、入居の審査に通りづらい傾向にあります。会社勤めの方に比べて、収入が安定しない可能性があることから、家賃を滞納されるリスクがあると判断されるからです。

対策としては、以下のような方法が考えられるでしょう。

  • 確定申告の控えや住民税の課税証明書、納税証明書など、安定した収入を証明できる書類を用意する
  • 月収の20%程度の家賃のお部屋を探す
  • 連帯保証人や保証会社を立てる

このような対策をすることで、お部屋を借りられる可能性が高くなります。

高額な賃料のお部屋を借りる場合

例えば、海外から帰国後、新卒の手取りが20万円であっても、家賃15万円以上のところに住むようなケースです。

給与とは別に親御さんからの援助があったりする場合、審査前に「状況をきちんと伝える」ことで、審査通過率が高くなります。

○親からの仕送りが○万円あることを伝える

○まとまったお金がある通帳のコピー

上記の対応で過去に審査に通過しているケースもありますので、是非参考にしてみてください。

まとめ

賃貸契約を結ぶときは、用意すべきものが多くあります。住民票や印鑑証明書など取得が必要なものや、保証人や緊急連絡先の方の情報は前もって確認しておきましょう。

特に海外からの帰国者のなかでも自営業、新社会人、転職されたばかりの方がお部屋を借りる場合、必要なものを揃えるだけでなく、状況に応じた対策が必要な場合もあります。

海外から戻られたばかりで手続きが分からない、帰国前に相談したいなど、海外からの帰国者の方の対応には慣れていますので、何でもご相談ください。